梨木香歩『西の魔女が死んだ』あらすじと感想!映画版も「周囲に馴染めず悩んだ時はこの本」

 

今回ご紹介する一冊は、

梨木香歩(なしきかほ)

『西の魔女が死んだ』

です。

作者『梨木香歩』は鹿児島県出身で、

イギリスに留学した経験を持ち、

イギリスでは児童文学者の多数の文学賞を

受賞しています。

紹介する『西の魔女が死んだ』

児童文学者協会新人賞

新見南吉児童文学賞

小学館文学賞を受賞し、

映像化もしているので内容はわからないけれど、

タイトルだけは聞いたことがある人も多いでしょう。

『裏庭』という作品は児童文学ファンタジー大賞、

『家守奇譚』では本屋大賞3位入賞する実力者でもあります。

作品を読むと『植物』がとても多く登場します。

その植物たちはとても美しく、

生命力に満ち溢れていてとても魅力的に描かれています。

『西の魔女が死んだ』の中でも多くの植物が

登場していてある植物が重要な役割を担っています。

ぜひ作家『梨木香歩の作品を

手に取ってみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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西の魔女に学ぶ少女の成長物語

サチ・パーカー (出演), 高橋真悠 (出演), 長崎俊一 (監督)

 

二度と再び、まいの世界が元に戻ることはなかった。

学校に足が向かなくなった少女が、大好きな祖母から受けた魔女の手ほどき。何事も自分で決めるのが、魔女修行の肝心かなめで……。

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。

 

中学3年生の主人公の『まい』は

英国人の母と日本人の父をもつ少女です。

ある日、授業中に担任から、

すぐに帰る準備をするように

言われるところから物語は始まります。

母親が迎えに来てその理由がわかります。

母親とこっそり『西の魔女』とよんでいる

祖母が倒れたのです。

まいは2年前、入学して間もないころに

いじめに遭い登校拒否になってしまい、

祖母の家で過ごすことになりました。

まいは母の車で祖母の家に向かいながら

祖母の家で過ごした日々を思い出しました。

主人公まいの回想で物語は進みます。

祖母は予知能力など不思議な力を持つことを、

まいは祖母と語り合ううちに知ります。

まるで魔女のような力にまいは興奮して

祖母に魔女のなるための訓練方法を

教えてもらうことになります。

中学生という多感な時期にいじめに遭い

学校に足が向かわなくなってしまったまいが、

祖母と過ごすうちに自分を取り戻していきます。

この物語は少女の成長物語でも

あるのではないかと思いました。

 

 

 

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魔女訓練の基本は簡単にできそうでなかなか難しい

 

まいが祖母と始めた『魔女になるための訓練』

の最初の訓練は

『早寝早起き、規則正しい生活をすること』でした。

現代っ子でもあるまいは夜更かしなどは日常茶飯事で、

できるか不安になりましたが

祖母の助けもあり順調に訓練は進んでいきました。

そして

『1番大切なのは意志の力と、自分で決める力、

決めたことをやり遂げる力』

だとまいは教えられます。

自分で決めたことをやり遂げることが

できるようになったまいは、

時間の使い方を上手に組めるようになり心地の良い、

整った生活を送ることができるようになっていきました。

祖母の教えは生活をしていくうえで『基本』なのですが、

いざ実行をしようとしても、

それがなかなか難しいと感じるのではないでしょか。

生活を整えること、自分で決めて、それをやり遂げること、

まいが祖母から教えられたことが物語を読む

自分にも言われたようで、

背筋がピンっと伸びるような気持ちになりました。

 

 

 

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深い愛情とともに成長を見守る

 

「おばあちゃん、大好き」と告げるまいに

祖母はいつも「アイ・ノウ(知っているわ)」

と答えてくれます。

その返事をきくのがまいはとても大好きでした。

ある日まいは祖母に『人は死んだらどうなるの?』と問います。

まいの真剣さと不安を感じた祖母は

『死ぬということは魂が身体から抜けること』

と答えます。

そしてその時がきたら祖母はまいに

そのことを伝えると約束します。

祖母の家に到着した時には祖母はもうこの世から

旅立った後でした。

泣き崩れる母親から離れ、

まいは祖母と過ごした懐かしい台所に向かいました。

そしてまいは窓ガラスに書かれている文字に気づきます。

まいは物語の途中で祖母と仲たがいをしてしまいます。

仲たがいをしたまま祖母の家を離れましたが

「おばあちゃん、大好き」と言えないままの

まいは後悔をしていました。

後悔していたまいに祖母は最後まで愛情で包み込みます。

その愛情の深さに心がじんわりと暖かくなりました。

そして祖母はまいの成長をいつまでも

その大きな愛情で見守ってくれていると

感じることができます。

まいが「おばあちゃん、大好き」というたびに

「アイ・ノウ」という声とともに。

おばあちゃんと同じように、

死んでも魂はここにいるよ

大切な人に伝えるために、

魔女修行を始めてみてもいいかな。

と思わせるような本です。

魔女修行が気になる方はぜひ手に

取ってみることをお勧めします。

 

サチ・パーカー (出演), 高橋真悠 (出演), 長崎俊一 (監督)

 

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