作家生活35周年を迎えた東野圭吾さん。
私も大好きな作家さんで、
これまでに数々の作品を楽しませて頂きました。
今回は、東野圭吾おすすめ作品をご紹介いたします。
皆様のお気に入りが見つかりますように。
『東野圭吾公式ガイド 作家生活35周年ver.』が
講談社文庫より、
2020年7月15日に発売されます!
著作100冊目前、全世界で一億部を突破!
日本で、世界でその人気を誇る東野圭吾。
ミステリーもファンタジーも、シリアスもコメディも、すべてをベストセラーにしてきた大人気作家の35年間は挑戦の連続だった。25周年版公式ガイドに新作の自作解説を加え、貴重なロングインタビューを収録した決定版!
目次
『秘密』
人はみな、秘密を抱えて生きています。
けれどこの話の夫婦が心にしまう秘密は
とても重いものです。
物語はスキー旅行に出かけた妻と
娘が乗るバスが事故に遭い、
妻は帰らぬ人となります。
娘は奇跡的に助かりますが、
目を覚ますとその体には妻の意識が宿っていました。
そこから始まる娘の体を持つ妻と夫の苦悩の日々。
物語の設定状況の特殊さ、そしてその状況下でも、
なんとか前向きに進む夫と妻それぞれの決断があります。
お互いのことを思いながらも下す決断に男性、
女性目線で意見が分かれそうです。
お互いが共有する秘密を守り、
そしてその中で生まれる妻の秘密と夫の秘密があります。
それを胸に秘めて、迎える最後の夫のセリフに涙がでます。
せつない気持ちが溢れる名作です。
運命は、愛する人を二度奪っていく。
98年度ベストミステリーとして話題をさらい、広末涼子主演で映画化、志田未来主演で連続ドラマ化もされた東野圭吾の出世作。累計200万部突破の伝説のベストセラー。
『新参者』
刑事、加賀恭一郎が主人公のシリーズ8作目です。
日本橋署に移った加賀が、
日本橋人形町という江戸情緒が残る街を舞台に活躍します。
そこに暮らす人たちとの人情溢れる交流を
生き生きと描きます。
そこには人の弱さ、優しさ、そして大切な人を
守るために生まれた嘘があります。
「事件で傷ついた人がいるなら、
救い出すのも私の仕事です」
と、加賀は言います。
犯人を捕まえるだけでなく、
どうしてそんなことが起こったのかを追求します。
そして事件で傷ついた人たちの心も救っていく、
温かいストーリーが魅力です。
連作短編集になっていて、
その中で起こるひとつひとつの出来事が
加賀の手によって解決されていきます。
最後には全てが一つに結びつき、
事件の解明となる構成も楽しめます。
立ちはだかるのは、人情という名の謎
日本橋の片隅で発見された四十代女性の絞殺死体。「なぜ、あんなにいい人が」と周囲は声を重ねる。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、未知の土地を歩き回る。「この町のことを思い浮かべるだけで、忽ち様々な人間が動きだした。そのうちの一人を描こうとすると、そばにいる人々の姿も描かざるをえなくなった。まる でドミノ倒しのように、次々とドラマが繋がっていった。同時に謎も。最後のドミノを倒した時の達成感は、作家として初めて味わうものだった」――東野圭吾
『手紙』
あなたは手紙をもらったとき、
どんな気持ちになりますか?
ラブレターならワクワクするでしょう。
応援の手紙で勇気づけられることもあるかもしれません。
でも、もしそれが殺人を犯した身内から
届く獄中からの手紙だったらどうでしょうか?
この物語は殺人を犯した兄、
主人公である加害者の弟、
被害者の家族、さらには世間といった
それぞれの立場になって読むことができます。
そして、自分だったらその現実に対して
どういう決断を下すのか?と、
深く考えさせられる作品です。
兄と弟との直接交わされる会話ではなく、
送られてくる手紙を通して揺れ動く、
弟の気持ちで物語は進行していきます。
いちばん最後に描かれる、
兄と弟とのシーンには胸がいっぱいになります。
人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。
犯罪加害者の家族を真正面から描き、映画化(主演・山田孝之)、舞台化もされ、感動を呼んだ不朽の名作。文春文庫史上最速でミリオンセラーとなり、200万部を売り上げるベストセラー。
『マスカレード・ホテル』
次の犯行場所は一流ホテル、コルテシア東京。
華やかな場所で繰り広げられるハラハラ、
ドキドキのミステリーです。
ホテルのフロントクラークを務める山岸尚美と、
ホテルマンに化けて潜入捜査をする刑事、新田浩介。
お客様を第一とする尚美と、
容疑者逮捕という視点で客を見る新田は始め衝突します。
しかし、供に仕事をする中で次第に
お互いのことを認め、
事件解決にむけて助け合いながら成長していきます。
仮面をかぶった怪しげな客たちが、
たくさん訪れ二人は翻弄されます。
けれど、尚美は言います。
ホテル側はその仮面を尊重し、
決して剥がそうと思ってはいけない。
なぜなら、お客様は仮面舞踏会を楽しみに
ホテルに来ているのだからと。
最後の最後まで息もつかせぬ展開が
魅力のエンターテイメントです。
都内で起きた不可解な連続殺人事件。容疑者もターゲットも不明。残された暗号から判明したのは、次の犯行場所が一流ホテル・コルテシア東京ということのみ。若き刑事・新田浩介は、ホテルマンに化けて潜入捜査に就くことを命じられる。彼を教育するのは、女性フロントクラークの山岸尚美。次から次へと怪しげな客たちが訪れる中、二人は真相に辿り着けるのか!?大人気シリーズ第1弾のミリオンセラー。
『白夜行』
1973年に起こる、
大阪の廃墟ビルでの一人の質屋殺し。
被害者の息子・桐原亮司と容疑者の娘・西本雪穂を
中心に描かれます。
二人は一見まったく違う人生を
歩んでいるかのように見えます。
ただ、二人の周りには、
しばしば暗い事件が起こります。
文庫で854ページという長編ですが、
緻密なストーリー展開で最後まで
作品世界に没頭できます。
亮司と雪穂の直接的な関わりや、
心理描写は描かれません。
二人が共に語ることもありません。
周囲にいる第三者の目線を通してのみ
描写がされるので、
想像力がかき立てられます。
全体に暗い霧が覆われたトーンで
物語は進んでいきます。
やがて事件は笹垣刑事の執念で、
一本の線に繋がります。
二人が巻き込まれてきた運命の半生に
胸が詰まります。
物語最後の場面がしばらく頭に刻まれ、
深い読後感に打ちのめされます。
重厚な傑作小説です。
1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々と浮かぶが、事件は迷宮入りする。被害者の息子・桐原亮司と「容疑者」の娘・西本雪穂――暗い目をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別の道を歩んでいく。二人の周囲に見え隠れする、いくつもの恐るべき犯罪。だが、証拠は何もない。そして19年……。伏線が幾重にも張り巡らされた緻密なストーリー。壮大なスケールで描かれた、ミステリー史に燦然と輝く大人気作家の記念碑的傑作。
『容疑者Xの献身』
言わずと知れた名作ですね。
天才物理学者・湯川学が活躍する
《ガリレオシリーズ》の中でも
最高傑作とまで言われています。
映画にもなっていますが、涙が止まりませんでした。
こちらの記事で詳しい書評をご紹介しています↓
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』
東野圭吾さんと言えば、
ミステリが多い印象ですよね。
この作品はいつもと違った味わいになっていて、
異色かもしれません。
「人と人との縁を紡ぐ温かさ」が感じられて、
ファンタジー要素もあります。
最後まで一気読みしてしまうのは、
東野圭吾作品らしくお馴染みと言えますね。
こちらの記事で詳しい書評をご紹介しています↓
『流星の絆』
過酷な運命を背負う三兄妹の物語です。
戸田恵梨香主演でTBSでドラマ化もされているので、
ご存知の方も多いのではないでしょうか。
小説はドラマとはまた違った味わいがありますよ。
こちらの記事で詳しい書評をご紹介しています↓