今回ご紹介する一冊は、
おけまる著
『夢見る男子は現実主義者 1』です。
本作は、小説投稿サイト「小説家になろう」
で連載されている作品で、
HJ文庫の「HJネット小説大賞2019」を受賞し、
今年の6月に第1巻が書籍化されました。
そしてはやくも、2巻、3巻の書籍化も
決定しております。
既にネット小説大賞を受賞していることから、
ラブコメのライトノベル好きなら
買って損しない作品となっております。
目次
おけまる『夢見る男子は現実主義者 』あらすじと注目ポイント
“両片思い"って、もどかしい。
同じクラスの美少女・夏川愛華に恋い焦がれる佐城渉は、彼女との両想いを夢見て、めげずにアプローチを続けていた。
しかし、ある日突然、夢は醒める。「あんな高嶺の花と俺じゃ釣り合わなくね……?」
現実を見て適切な距離を取ろうとする渉の反応に、愛華は呆然。
「もしかして、私、嫌われたの……?」
勘違いの末、焦り慌てる彼女からは無自覚な好意が見え隠れ!?
両片思いのすれ違いに悶絶必至の青春ラブコメ、開幕!
本作の注目ポイントはやはり、
主人公がある時からヒロインを
あきらめているところです。
別にヒロインのことを嫌いになったわけではなく、
大好きなのは変わらないのですが、
現実を理解してしまい、
ヒロインのことを追いかけなくなっていきます。
主人公は現実を受け入れ、
気持ち新たに前向きな行動をしていきますが、
急な変化に周りがそれぞれ、
勘違いをしたりしてしまいます。
そんな主人公の急変により展開していく
人間関係がおもしろい作品です。
押してダメなら引いてみろ
本作の注目ポイントでも挙げたように、
主人公はヒロインのことを大好きだと
思っているのにもかかわらず、
ある時から急に追いかけなくなってしまいます。
今までは、しつこすぎるほどに付きまとっていたため、
ギャップが凄まじいことになっています。
したがって意図せず、
究極的な「押してダメなら引いてみろ」
が発動してしまいます。
これにはどれだけしつこくても
突き放してきたヒロインも、
戸惑いを隠せません。
この「押してダメなら引いてみろ」が
良い効果をもたらすのか、
1巻以降にも期待です。
コメディ要素強め
本作のベースの視点は主人公です。
したがって地の文は、
主人公の心の中がメインになっています。
実は主人公の心の中では、
多彩なコメディが展開されています。
主人公の目の前で起こることへの
ボケツッコみをはじめ、
他作品をリスペクトしたようなものまであります。
主人公の心の中で完結するコメディにより、
テンポよく読むことができました。
私はこのようなギャグが好きなので、
この要素だけでも本作にハマりそうです。
また、地の文だけでなく、
会話の中でもちょくちょく「クスッ」と
笑ってしまうようなものがあるので、
コメディ好きには、
ぜひ手に取ってもらいたいです。
ヒロイン視点もある
先に、ベースの視点は主人公とお伝えしましたが、
実はヒロイン視点もあります。
主人公視点で進んでいたストーリーを振り返り、
あの時のヒロインはどう思っていたのか、
がわかるということです。
一般的にヒロイン視点のある作品では、
ヒロインの行動から読み取れる表面上の心情だけでなく、
嘘のない本当の心情がわかります。
だから読者はヒロイン視点を読み、
本当の心情がわかったときに、
よりヒロインのことを好きになること
がよくありますよね。ということは本作でも…
姉弟の絆⁉
主人公には家でも学校でも
頭の上がらない姉がいます。
作中1度だけ、ルビは”あねき”なのに対して
漢字が”覇王”だったのは、
姉弟関係を象徴していてとても面白かったです。
それはさておき、
私が本作で最も印象に残ったのは、
姉弟のある意味絆が描かれたシーンです。
姉弟だからこそ見せたくないものだったり、
普段は絶対に言うことのない本音だったり
が飛び交うシーンです。
こんな姉弟関係も経験してみたいなと思えました。
経験してみたらこんな姉弟は嫌だと
思うに違いありませんが…。
私の印象に残ったシーンは、
主人公とヒロインのストーリーとは関係ないところ
にはなってしまいましたが、
今回の第1巻ではあまり二人の話が展開されていない
かなと感じました。
2巻3巻と続編が決定しているので、
二人のこれからの関係性については、
今後に期待が高まります。
まとめると、「押してダメなら引いてみろ」
という言葉がピッタリな作品で、
しっかりとしたコメディのあるラブコメが
好きな方には、おすすめだと思います。
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