今回ご紹介する一冊は、
水野 敬也(みずの けいや)著
『夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神』
です。
累計400万部を売り上げる
ベストセラー作品となった
『夢をかなえるゾウ』シリーズ
の2作目です。
最新作である4作目が
2020年7月に発売されたことで、
その前に出ていた1~3作目も
また売れ始めているようです。
シリーズものではありますが、
話自体はそれぞれ独立しており
どの作品から読んでも
問題なく楽しめます。
目次
水野敬也『夢をかなえるゾウ2』 自称・笑いの神と貧乏の神が教える「お金」と「幸せ」の関係
「お金」と「幸せ」の関係、ごっついの教えたろか。
脱サラし、お笑い芸人になった西野勤。しかし才能がなく、8年間、売れることなくくすぶっている。
そんな彼の元にガネーシャが降臨! 「ワシとコンビ組もうや」。
ガネーシャとお笑いコンビを組んだ西野は果たして夢をかなえることができるのか?
貧乏神の金無幸子も加わり、「お金」と「幸せ」の真の関係が理解できる、シリーズ第2弾。
今回の主人公は、
売れないお笑い芸人。
売れてないので大した仕事もなく、
新人が出るお笑いライブの
重鎮と化しています。
「いつかは売れてやるぞ」
と思いつつも、
心のどこかでは
「そろそろあきらめたほうが
いいのかな」
と揺れています。
ある日のお笑いライブ。
想定外の出来事に弱い主人公は、
ライブに来てくれたお客さんの
反応に応じてトークの流れを
何パターンも組み立てて臨みました。
ところが、どのパターンにも
当てはまらないリアクションを
してきたお客がひとり。
おかげでその日のライブはボロボロ、
主人公は落ち込みましたが、
帰り際にそのお客が
褒めちぎってくるという
予想外の展開に。
このお客こそが、
自称・笑いの神ガネーシャでした。
主人公の笑いの才能に
ほれ込んだガネーシャを
連れて帰宅した主人公。
ガネーシャのおかげで、
実は主人公の家には
貧乏神の幸子が長年住んでいたこと
が発覚します。
幸子によれば、
主人公には貧乏の資質も
備わっているそう。
この日から、
主人公とガネーシャ、
そして幸子による
共同生活が始まりました。
ガネーシャのスパルタ教育により、
初日から大きなマイナスを
背負うこととなった主人公ですが、
ガネーシャや幸子からの
日々の課題をこなし
前に進もうと努力していくうちに、
物の捉え方や考え方が
変わっていきます。
2人の神のおかげで、
どういう行動がお金につながるのか、
どういう行動が幸せを呼ぶのか
を理解した主人公は、
やがて自力で正しい行動を
とることができるようになり、
未来を切り開いていきます。
水野敬也『夢をかなえるゾウ2』 少ないけどシンプルな教えがより分かりやすい
夢をかなえるゾウシリーズを
1冊でも読んだことのある方は
ご存じだと思いますが、
ストーリーの中で
ガネーシャは主人公に対して
課題を出します。
それをこなすことで
主人公は成長していきます。
本作品はガネーシャに加え、
貧乏神の幸子からも
課題や教えが日々出てきます。
私はシリーズ1作目を読んだあとに
本作品を読んだのですが、
課題や教えの数は
1作目と比べて少なくなった
ように感じます。
本書のテーマである
「お金」と「幸せ」に
絞った教えになっているので、
シンプルで分かりやすいと思います。
主人公がはじめから状況的に
追い込まれていることもあり、
課題や教えの効果が
わりと早くハッキリと現れるので、
意味が理解しやすくなっています。
水野敬也『夢をかなえるゾウ2』 お笑いは才能だけでなく努力で面白くなる
前作の主人公は
ごくごく普通の平凡な会社員で、
才能がなくても
成功していけそうな内容でした。
ところが本作はお笑いという、
才能がなければ成功は難しそうな
ジャンルでのストーリー
ということで、
どう進展していくのか
気になりながら読みました。
本書の中で主人公は、
ガネーシャや幸子の言葉を
ヒントにして
「才能」ではなく「努力」の部分
にフォーカスすることを知り、
成長していきます。
「才能」を追い求めていた頃は、
日々努力しているにも関わらず
それが成果につながらなかったのに、
「努力」にフォーカスするように
なってからはお笑いの質が
どんどん上がっていく。
そして最終的には自分の強みにまで
たどり着く様子が描かれています。
偶然や無理やりな展開ではなく、
自然なストーリーとして
表現されています。
これは芸能系、クリエイティブ系の
お仕事全般で言えることだと思うのですが、
どんな作品でも才能から生まれる
「閃き」のようなものの他に、
いわゆる経験則だったり、
暗黙知だったり、
そういったものがあって一つの作品
になるんですよね。
この「経験則」とか「暗黙知」
といったものは
それまでの経験や努力の積み重ね
から生まれます。
本書を読み、
作品のクオリティは
才能だけではなく努力で
上げていくものだ、
ということを改めて感じました。
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