近藤史恵『マカロンはマカロン(創元推理文庫)』ビストロパマルシリーズ感想とあらすじ!

 

今回ご紹介する一冊は、

近藤史恵

『マカロンはマカロン

ビストロ・パ・マル・シリーズ』

です。

 

近藤史恵さんは

推理作家で小説家です。

 

この『マカロンはマカロン』

前の作品『タルト・タタンの夢』を

読むとより楽しく

読める作品です。

 

『タルト・タタンの夢』では

主人公達の特徴どんなお店

なのかも書かれています。

 

特に三舟シェフの自分の店

「パ・マル」の語源が

「悪くない」からきている

なんてなにかしら面白さ

を感じます。

 

彼女の小説を読むと

この人は本当に人を観察して

書かれていることを実感します。

 

三船シェフが無精髭を

生やしていてなにか考えている

ときなどは決まって

髭に手をやっているところ

なんかも愛すべき存在で

ついついはまって

読んでしまうのです。

 

その髭は武士をモチーフに

していると聞くとなるほどと

頷いてしまいます。

 

そんな人が好きな近藤史恵さん

の作品

『マカロンはマカロン

ビストロ・パ・マル・シリーズ』

読み解いていきます。

 

 

 

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近藤史恵『マカロンはマカロン ビストロ・パ・マル・シリーズ』 追憶のブータン・ノワール

 

名探偵シェフ三舟による
前菜からデセールまで、
そして見事な謎解きに、
きっとご満足いただけます。
大好評ビストロミステリ・シリーズ第3弾!

下町の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マルはカウンター七席、テーブル五つ。フランスで料理修業をしてきた変人シェフ三舟さんの気取らない料理が大人気。実はこのシェフ、客たちの持ち込む不可解な謎を鮮やかに解いてくれる名探偵でもあるのです。消えたパティシエが残したことば「マカロンはマカロン」の意味するものは? 蝶ネクタイが似合う素敵な大学教師が経験した悲しい別れの秘密とは? 豚足をめぐる少年と母親の再婚相手との物語等々、胸を打つ話ばかり。メインディッシュもデセールも絶品揃い。きっとご満足いただけます。

 

 

ブータン・ノワールは

豚の血で作ったソーセージです。

 

日本人の私にとっても

馴染みのない食べ物だけど

コクと深みがあって

おいしい料理だそうです。

 

ブータン・ノアールに

添えられているリンゴのピュレの

酸味がいいアクセントとなり

ワインとも相性が合います。

 

肉食人種でワイン好きの犬養さんは

今日もブータン・ノアールを

求めて来店されたのですが

その日はありませんでした。

 

今回は残念だけど、

次回の予約時に準備してほしいと

切望されました。

 

それは近々結婚するのもあり

相手に自分の好きな

ブータン・ノアールを食べてみて、

自分の好みの食事を知って

もらいたいとの考えからでした。

 

その当日、犬養さんと北京で

ガイドをしている中国人の彼女を

連れてこられ

彼にはブータン・ノアールを、

彼女の望みもあり

鶏肉の赤ワインとチョコレイト煮を

出すことで見た目には

彼の望むようになりました。

 

けど彼女はブータン・ノアールを

食べたくなかったのではなく

意地をはっていたのだとわかりました。

 

それは彼女がモンゴル生まれで

羊の血のソーセージを

子供の頃から食べていたことから

未知の食べ物ではなかったのです。

 

ある日、鮮鴨血を食べているときに

気持ち悪がられたので

食べることを躊躇するように

なったそうです。

 

彼女も肉食人種なので

犬養さんとはいい夫婦に

慣れそうですね。

 

 

 

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近藤史恵『マカロンはマカロン ビストロ・パ・マル・シリーズ』 タルタルステーキの罠

 

ある日、パ・マルに

「馬肉ではなく牛肉の

タルタルステーキはありますか?」

と質問の電話がありました。

 

三舟シェフは

「2日前に予約を入れて

くれれば用意できます」

と答えると

「メニューに載せてください」

と依頼がありました。

 

「黒板の『本日のメニュー』に

載せることができます」

と答えて2週間後女性3人が

来店されました。

 

タルタルステーキを

出してほしいという

3人の女性のなかに

1人妊婦がいたのです。

 

その妊婦は猫も飼っていないし、

ガーデニングもしていない、

 

それに生肉を好んで

食べていたわけでもないのに

トキソプラズマに

感染したそうです。

 

トキソプラズマは

もともと怖い寄生虫でもなく

一度かかれば二度とかからないし、

症状もでないので

怖い病気ではないようです。

 

ただ妊娠中に初めて感染した時

だけ胎盤を通して胎児に感染して

重篤な症状が現れるので

恐れられています。

 

その妊婦の義理の母は

とても厳しく保守的なので

トキソプラズマ感染症のことを

知れば妊婦の彼女を責めることは

目に見えています。

 

そこで自分の注文した料理を

人に分けて食べるのが好きな

義理の母の習慣を利用することで、

計画通りにタルタルステーキを

分けてもらうことに

成功したのです。

 

これで彼女の子供に後遺症が残った

としても自分だけのせいでは

ないといえます。

なにかしら背筋も凍る罠ですね。

 

義理の親子で食事をするときは

生ものではないか?等、

注意したほうがいいかも

しれませんね。

 

 

 

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近藤史恵『マカロンはマカロン ビストロ・パ・マル・シリーズ』 マカロンはマカロン

 

フレンチレストランを

経営している羽田野さんは

そこで働くパティシエールと

一緒にパ・マルで食事を

していました。

 

そのパティシエールの岸部さんは

こういう仕事をしているのに、

しっかりメイクで

香水の香りもする女性

だったのです。

 

彼女の作るマカロンは

なかなかのもので

期待されています。

 

ただ波田野さんも

気になっていたので

岸部さんに飲食店で働くのだし

メイクと香水はやめるように

注意します。

 

その後、岸部さんは

「マカロンはマカロン」と

書いたカードを添えた

ブルターニュ名物の

焼き菓子“ガレット”に似た

お菓子を波田野さんに

送られてきて

連絡が取れなくなって

しまったのです。

 

それが何を意味するのか

分からないので

三舟シェフを頼ってきて

推理してもらいました。

 

三舟シェフは老舗ホテルで

男性並みに働ける体力から

彼女がトランスジェンダーで

あることを導き出します。

 

ガレット似たお菓子は

“マカロン・ダミアン”で、

私達が知っているマカロンは

“マカロン・パリジャン”

だったのです。

 

どちらも「マカロンはマカロン」で

女性以外なら仕事できない

のであれば、

波田野さんのお店で働けないと

訴えかけているようでした。

 

美味しいマカロンを

食べれるのであれば女性でも、

男性でも、

トランスジェンダーでも

問題はないし、

男女雇用均等法にも

違反することになりますよね。

 

 

 

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