今回ご紹介する一冊は、
桐生 稔(きりゅう みのる)著
『雑談の一流、二流、三流』
です。
皆さんは、
雑談について真剣に向き合ったことはあるでしょうか。
恥ずかしながら、私はなかった。
そしてこの本を読んで知りました、
たかが雑談、されど雑談だと。
雑談には、私たちの知られざる力
が込められているのです。
『雑談の一流、二流、三流』には、
雑談力を向上させるための技法が
テーマを分けて紹介されています。
しかも、どれも明日から実践可能なものばかり。
私も読了後すぐに会社の先輩相手に試してみました。
それでは内容を紹介していきましょう。
雑談が出来ない事を
「コミュニケーション能力がない」
という一言で片づけて自分の性格のせい
にするのではなく、
テクニックとして学んでいくのです。
目次
雑談とは何か?
人の心を動かすために大切なことって、なんだと思いますか。
説明のうまさ
専門知識、技術
では、ありません!それは「相手とどんな関係性にあるか」ということ。
その関係性を作るのが、まさにこの本のテーマ。取りとめもない話「雑談」です。
雑談で関係性を築く方法には、人間の心理に基づいた決まったパターンがあります。
しかも「一流」と言われる人は
成功するパターンを明確につかんでいるんです。この本は、
「なぜ人間関係がうまくいかなかったのか」その理由がわかり
そして
「あなたと話しているととても楽しい」と言われる人に進化するための、起爆剤になる一冊です!
『雑談の一流、二流、三流』の著者は、
桐生稔。
現在、コミュニケーション力向上のための
セミナーを数多く開催する会社を立ち上げ、
自身過去1万回以上のトレーニングセミナーを
開催しています。
そのトレーニングセミナーの講師が、
雑談を真剣に掘り下げたのがこの本です。
雑談とは人間関係に火を灯すものだと、
著者は定義づけています。
『嫌われる勇気』という本で、
すべての悩みは人間関係の悩みである
と言われていました。
それであるならば、
全ての悩みを解決しうるのが雑談だとも言えるのです。
大げさでしょうか?
いえ、読後雑談の力を思い知ることになると思いますよ。
元々ダメダメな営業マンだった著者は、
その成績の悪さから新卒で入った会社で
すぐに地方へ左遷されます。
そしてその左遷先でトップの成績をたたき出し、
エリアマネジャーにまでなるのです。
転職先の音楽スクールでは、受付から始め、
その3年後にはなんと事業部長。
このスピード出世の裏には、
彼の雑談という武器が大きく関係しているのです。
たかが雑談、されど雑談。
大きく7章に分けられた雑談のテクニックを、
三流のやり方、二流のやり方、
そして一流のやり方で説明してくれるので
分かりやすい作りとなってます。
私も読んでて痛感しましたね。
私の雑談は三流とまではいかないまでも、
二流どまりだなと。
でも非常に実践的なので、
明日から一流目指して仕事場や学校で
使ってみたくなりますね。
それでは具体的なテクニックを
いくつか見ていきましょう。
常に相手に焦点を当てよ
雑談において最も重要な事が、
第一章のすぐ始めに書かれています。
「相手に焦点を当ててあげる」これです。
これが分かれば、
もう雑談をマスターしたも同然。
この本質の上に、
様々なテクニックがのっかってくるようなイメージです。
雑談の始め方、話の広げ方、
聴き方とリアクション、雑談の盛り上げ方、
相手の懐に入る方法、そして好印象の残し方などなど、
全て相手に焦点を当てる事で
あなたの雑談は一流に近くなるはずです。
雑談は心地よさ、温かさ、盛り上がりが命。
人間関係に火を灯すのだから、
相手にとってそうでなければなりません。
例えば、質問をしてあげること。
いきなり自分の話をダラダラとしてはいけません。
なぜか?
その人にとって一番興味のあることは何だと思いますか?
それは、自分自身です。
誰しも、自分の事に一番興味があります。
だから、質問して自分の事を話させてあげるわけです。
即答できる質問であったり、なぜ?他には?それで?
などなどどんどん相手の話を
つなげてあげるといいそうです。
繰り返しますが、相手が心地よく、
温かい空気を作るのがポイントです。
承認欲求を満たせ
そして更に相手を気持ちよくするには、
相手の承認欲求を満たしてあげる事が一番です。
褒められたい、認められたい、励まされたい、誰もが望む、
これをやられて黙り込む人はまずいないでしょう。
褒めるプラス質問をする。
例えば
「今日してるネクタイいいですね、
ご自身で買われてるんですか?」
これにはYes or NOで即答できますね。
自分で買っているのであれば、
どこで買っているのか、
その店にはよく行くのかなどなど、
話をつなげられます。
Noであっても、誰かに選んでもらってるのか、
その人はセンスがいいですねなどなど、
話は広がっていきます。
褒めることが見つからなかったら、
過去と比べるのがいいそうです。
例えば新卒の営業マンが一人で
自分の会社に売り込みに来たとします。
「中々営業で成績が出なくて。。」
とうなだれることも雑談していればあるでしょう。
そういう時は、過去と比べてあげましょう。
「でも、以前は上の方と一緒に来ていたのに、
今は一人でいらっしゃってるじゃないですか。
任されている証拠ですよ。」
などですね。
過去と比べて褒める、
というのは私も経験があります。
上述の例と同じように、
今まで先輩と同行で訪問していた企業さんに、
一人で行き始めた時のこと。
お客様の方から
「最初来た頃と比べて、
慣れてきていい感じですよね。」
滅茶苦茶嬉しかったです。
振り返って客観的に見ると、
自分の成長を認めてくれたと
感じたからなのだと思います。
ビフォーアフター、大事です。
名前はその人の最大の尊厳である
名前を呼ばれる。これって結構嬉しい事ですよね。
「新人君」「バイト君」「君」
と呼ばれるのと、
自分の名前で呼ばれるのどちらがいいでしょうか。
断然後者です。
「新人君」「バイト君」「君」なんて、
大勢の中の一人って気がしませんか。
私は嫌な気さえします。
だから雑談でも、相手の名前を言ってあげましょう。
「〇〇なんですか?」よりも、
「佐藤さん、〇〇なんですか?」です。
名前を繰り返し呼ぶことで、
覚えることも出来ます。
名前は、その人を表す唯一無二の尊厳です。
役職よりも名前で呼ばれることを
好む人もいますよね。
現に、私の上司がそんな人です。
電話でも、繰り返し相手の名前を呼ぶように
教えられました。
そうすることで、相手は自分が承認されている
と感じるのですね。
子供のころ、今まで「君」「お前」と
呼ばれていた友達からあだ名や下の名前で
呼ばれると嬉しかった経験はありませんか?
あれは自分しか持たない名前という尊厳を
認められたからなのですね。
名前を呼ぶことだけでも、
雑談の空気を温かくすることが出来るのです。
これは今すぐにでも出来ますね。
雑談をあなどるなかれ
この本を読めば、雑談力は鍛えることが可能
だという事が分かります。
そして一流の雑談力は人間関係に火を灯す。
人間関係に火が灯れば、
仕事もうまくいくという好循環が起こりえるのです。
自分の周りに「あの人気に入られているな」
「なんであんなに仲良く話せるんだろう」という人、
一人くらいいると思います。
残念ながら私はその人ではないのですが、
少なくともこの本を読んで
雑談の見通しは立ちました。
雑談をどう始めるか、どう盛り上げるか、
ネガティブなことを言って来たら、
などなど多くのシーンを網羅してくれています。
雑という言葉で敬遠されがちな雑談という能力。
三流、二流から脱却するために、
是非この本を読んでください。
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