湊かなえ『告白』あらすじと感想!映画版も「イヤミスが癖になる感覚」

 

『告白』

超人気作家湊かなえ

の代表作であり、

デビュー作です。

小説推理新人賞を受賞したのを初めとして、

2008年度の週刊文春ミステリーベスト10では第一位、

このミステリーがすごい!では第4位、

さらに2009年には本屋大賞を受賞と、

推理小説に送られる名だたる文学賞

を軒並み受賞しています。

現在では300万部以上を売り上げ、

2010年には映画化作品が公開されるなど

現代日本を代表する名作といっても

過言ではありません。

また、「読んだ後に嫌な気分になるミステリ小説」

を意味する「イヤミス」という言葉を

生み出したのもこの作品です。

「イヤミス女王」とも呼ばれる湊かなえさんの作品には、

『花の鎖』『贖罪』などなど、

他にも大人気の「イヤミス」作品が多く存在しますが、

その中でもこの『告白』

絶大な人気を誇っています。

とても高い評価も一度読めば頷ける、そ

んな完成度の高い作品です。

もしまだ読んでいないという方がいたら、

是非とも一度読んでいただきたい作品ですね。

『告白』は2020年6月8日より、

電子書籍化もされて発売中となっています。

 

 

 

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湊かなえ『告白』のあらすじ

 

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラー。

 

市立S中学校の1年B組は、

3学期の終業式を迎えていました。

担任である森口悠子は、

自らが間もなく教師を辞めること

を告げます。

その大きな理由の一つが、

娘である愛美が学校のプールで溺死

したことでした。

悠子はこれが最後のホームルームである

ということも相まって、

普段はしないような話を生徒たちにします。

それは悠子の身の上話、そして、

愛美の死の真相でした。

教師になるまでの日々、結婚、夫の病の発覚、娘の死。

当初愛美がプールで水死体となって発見されたとき、

警察は事故死であるという見方をしていました。

しかし、悠子はクラス全員に向かってこう言います。

愛美は事故で死んだのではなく、

このクラスの生徒に殺されたのだ、と。

そして悠子は事件の真相について語り、

加えてとある「告白」をします。

その内容は私たち読者にとって、

とても衝撃的なものです。

しかし、それはまだこの物語の、

文字通りの序章にすぎません。

ホームルームが終わり、

クラスの全員が真相を知ってからこそ、

物語は視点を変えながら大きく動き出すのです。

 

 

 

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『告白』のストーリー

 

よく「衝撃」という言葉を使って

紹介される本書ですが、

「衝撃」という言葉がこれほどまでに似あう作品

はなかなかありません。

あっと驚くような真相が、

ふんだんに散りばめられているのがこの作品です。

特に第一章で読者を待ち受ける衝撃には

必ずや驚かされることでしょう。

明確に章分けされていることも相まって、

読んでいて飽きるということはまずありません。

それも、300万部以上を売り上げる理由

の一つなのかもしれませんね。

本書は複数の視点による一人称で展開されますが、

だからこそ生まれるストーリーの面白さを

存分に引き出しています。

到底デビュー作とは思えない、

作者の技量に感服させれらる作品です。

 

 

 

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「イヤミス」とは

 

先ほど述べたとおり、

「イヤミス」とは

「読んだ後に嫌な気分になるミステリ」のことで、

この『告白』はその代表格であり、

「イヤミス」という言葉を作った原点でもあります。

本当に『告白』を読んだ後には

何とも言えない嫌な気持ちになりますが、

それこそがこの小説の醍醐味であり、

癖になってしまう感覚でもあります。

だからこそ「イヤミス」が推理小説の中の

一ジャンルとして確立されて

いっているのでしょう。

 

 

 

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『告白』の特徴

 

この物語を初めとした、

湊かなえさんの作品の特徴は複数の登場人物の視点から、

一つの出来事を描くことです。

それにより同じ出来事でも、

その登場人物の考えや感情によって

見え方が変わったりします。

登場人物たちの考えの相違や、思い込みなどが、

全ての視点を読む読者からすれば

一目で分かるのですが、

実際に物語の中で行動する登場人物たち

からすればそうはいきません。

それが悲劇を引き起こしてしまうことも多々あります。

しかし、それは現実でも同じことです。

思い違いでいざこざが生まれたり、

考えがすれちがったり、

なんてことはこの世界にあふれています。

そんな世界を生きていくうえで、

多くのことを学ばせてくれるのが、

実はこの作品なのです。

「イヤミス」と呼ばれ、

読後感があまりよくないように

語られている本書ですが、

実は読み終えて抱く感情は

それだけではないのかもしれません。

 

松たか子 (出演), 岡田将生 (出演), 中島哲也 (監督)

 

 

 

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