横山秀夫『ルパンの消息』小説感想とあらすじ!映画版も「面白いおすすめ本」

 

今回ご紹介する一冊は、

横山秀夫

『ルパンの消息』です。

 

『ルパンの消息』は

推理小説です。

 

横山秀夫は

『ノースライト』が

2020年にドラマ化

されることが決定されており、

今現在、

人気が再燃しています。

 

その横山氏のデビュー作が、

この『ルパンの消息』です。

 

1991年に

第9回サントリーミステリー大賞

の佳作に選ばれますが、

刊行されたのはなんと

15年後の2005年という

とても珍しい経歴を

たどっています。

 

そのため光文社創立60周年

記念特別出版として

売り出された際には、

「幻の処女作」

というキャッチコピー

がつけられました。

 

デビュー作でありながら

二つの時間軸を並行して

見事に描いており、

 

ストーリー構成の巧みさが

このころから備わっていた

ことをうかがい知ることが

できます。

 

また、三億円事件という

実在の事件をフィクション

に絡めるなど、

 

「社会派ミステリ」としての

一面も持ち合わせている

作品です。

 

横山秀夫が注目を

集めている今こそ、

原点に立ち返って

読んでいただきたい作品です。

 

 

 

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横山秀夫『ルパンの消息』 あらすじ

上川隆也 (出演), 佐藤めぐみ (出演), 水谷俊之 (監督)

 

15年前、自殺とされた女性教師の墜落死は実は殺人――。警視庁に入った一本のタレ込みで事件が息を吹き返す。当時、期末テスト奪取を計画した高校生3人が校舎内に忍び込んでいた。捜査陣が二つの事件の結び付きを辿っていくと、戦後最大の謎である三億円事件までもが絡んでくるのだった。時効まで24時間、事件は解明できるのか!? 著者“幻の傑作”待望の電子化。

 

酒宴の席を楽しんでいた

巣鴨警察署の面々の下に、

とあるタレコミ情報が

もたらされます。

 

それは、自殺として

処理された15年前の

高校女性教師の墜落死が、

実は他殺であった

というものでした。

 

しかもその情報は

警視庁の幹部から

もたらされたもので、

信憑性もかなり

高かったのです。

 

しかし、事件を解決する

にあたって、

一つ致命的な問題が

ありました。

 

なんと、その事件の

時効まであと24時間

ほどしか残されて

なかったのです。

 

捜査員たちは

事件の真相だけでなく、

時間とも戦いながら、

解決へ向けて奔走する

ことになります。

 

一方15年前、

3人のツッパリ高校生たちは、

卒業を目前にして

何か大きなことをしようと、

 

学校に侵入して

テストの解答を盗む計画

を練っていました。

 

「ルパン作戦」と

自ら名付けたこの計画は、

やがて予想だにしない方向

へと向かうことになります。

 

15年の時を経て改めて

操作されることとなった事件の、

驚愕の真相が

明らかになるのです。

 

 

 

 

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横山秀夫『ルパンの消息』 のストーリー

 

この小説は

「社会派ミステリ」に

位置付けられる

ミステリ小説です。

 

社会派ミステリと言えば

松本清張の作品などが有名で、

 

一時期は社会現象を

巻き起こすほどの

一大ブームとなりました。

 

しかし、その社会派ミステリも

段々と廃れてしまいます。

 

それはリアリティを

重視しすぎて、

トリックなどミステリの本質

とも呼べる要素を

軽視してしまったからです。

 

しかしこの作品は、

社会派ミステリと

呼ぶに差し支えない要素を

持っていながら、

 

しっかりと芯のある

トリックを備え合わせた、

まさに理想的な推理小説です。

 

三億円事件などの実在の事件が

織り交ぜられていることも

相まって、

作品にリアリティが生まれ、

 

あたかも

ノンフィクション小説を

読んでいるかのような気分

を感じさせてくれます。

 

横山秀夫は直木賞に匹敵する

作家と呼ばれるだけあって、

本当に面白いストーリーで

私たちを魅了してくれます。

 

また、

本作はWOWOWで2008年に

ドラマ化されており、

そちらも好評だったようです。

 

横山秀夫は「64」を初めとして

映像化作品もかなり

人気な作家なので、

彼の小説が好きだという方は

ぜひご覧になってみてください。

 

 

 

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横山秀夫『ルパンの消息』 が感じさせる「昭和」

 

事件解決のために

捜査員たちが奔走するのは

平成2年。

 

まだ昭和の面影を色濃く

残した時代です。

 

それゆえ、この物語全体を通して、

昭和の匂いが

漂ってくるような

昔懐かしい雰囲気に

包まれています。

 

例えばツッパリ高校生たち。

 

今では「ツッパリ」という

言葉さえ最早死語ですが、

この物語ではそんな彼らが

キーパーソンとなります。

 

さらに学校のセキュリティも

杜撰なものだったりと、

今の時代からすれば

考えられない描写も

あるかもしれません。

 

先ほど述べた通り、

15年の月日を経て改稿され、

出版されたこの作品はまさに

「小説のタイムカプセル」

といったところでしょうか。

 

昭和の時代を知る人たちは

古き良き時代を

懐かしみながら、

 

知らない人たちは

この令和の時代とは

一風変わった時代に

思いをはせながら、

ぜひ読んでみてください。

 

上川隆也 (出演), 佐藤めぐみ (出演), 水谷俊之 (監督)

 

 

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