今回ご紹介する一冊は、
大野 和基(編集)
『コロナ後の世界』
です。
今年は新型コロナウィルス
によるパンデミックの影響
で世界的にも危機を感じた
に違いありません。
4月に緊急事態宣言が
出されたときは
経済が止まってしまうのでは
ないだろうか?
子供たちの学校生活は
どうなっていくのか?
などの表現できない不安に
襲われていました。
現在もまだコロナ渦にあって、
最近では“withコロナ”
といいながらも
経済も少しずつ
動いているようです。
コロナ前の日本人は
なかなか距離感を
つかめない人が
比較的多いとのことでした。
今回のソーシャルディスタンス
などの習慣から
人の距離だけでなく
心の距離もとれるように
少し変わってきたという記事
を目にしたときに
新鮮さを感じました。
新型コロナウィルスによる
影響はただ悪い方向だけでなく
良い方向に動いているのかも
しれないと思った瞬間でした。
この『コロナ後の世界』を
読んでいると
まだまだこの世界は終わらずに
デジタル化へと
年齢を区切らずに
進化できるのではと
期待を生まれているようです。
悲観ではなく楽観的に
進んでいくのも
いいのかもしれません。
目次
ジャレドダイアモンド『コロナ後の世界』 独裁国家はパンデミックに強いのか(ジャレド・ダイアモンド)
新型コロナウイルスが国境を越えて感染を拡大させる中、現代最高峰の知性6人に緊急インタビューを行い、世界と日本の行く末について問うた。
このパンデミックは人類の歴史にどんな影響を及ぼすのか?
これから我々はどんな未来に立ち向かうのか?
世界史的・文明論的な観点から、冷静かつ大胆に2020年代を予測する。
新型コロナウィルスも
はじめはここまで流行拡大し
世界中の人々の脅威になるとは
ほとんどの人が
想像しませんでした。
それゆえに対応が後手に
回ってしまい
WHO(世界保健機構)が
パンデミックを宣言し
オリンピックも延期になる
という事態にまでなりました。
今回の新型コロナウィルスが
自然に消滅することは
ありません。
だから世界の一カ国だけでも
残っていると
再流行する可能性もあるので
収束するには時間がかかる
ともいわれています。
もともとウイルスや病原体などには
意図はないけれど
ただ一つ迷惑にも増殖します。
例えば何かのウイルスが
人に感染したとすると
体内で増殖して
他の人に繰り返し
感染させていき
広げていくのです。
その感染拡大を防止する第
一の方法は家にいて
勉強も仕事も
家で行うことです。
その際に家族で
お互いを思いやることは
とても重要となります。
今回の新型コロナウィルスの
感染拡大から
それだけではない問題が
浮き彫りになっています。
まずは日本でも
今後深刻となってくる
少子高齢化による問題です。
今後の経済を活性化
するためにも定年制度を
なくしたり、
女性を家庭から解放したり、
移民を受け入れることで
生産性を高めていかなければ
生き残ることは
難しいかもしれません。
そのためにも民主主義の
本質である投票に
行くことを勧めます。
ジャレドダイアモンド『コロナ後の世界』 ロックダウンで生まれた新しい働き方(リンダ・グラットン)
ロンドンでは3月23日から
ロックダウン(都市封鎖)が
始まり新しい生活様式が
始まりました。
今までにこういう体験も
予想もしませんでしたが
「この世の終わり」
とは思っていません。
この新型コロナウィルスにより
多くの人命が奪われて
人間はいかに弱いものかと
思い知らされました。
それでもこの社会を
よい方向に向かわせる
積極的な機会だと捉えるべきで、
社会を変えていけるはずです。
日本ではロックダウンを
しなかったものの
今までではありえない
テレワーク(在宅勤務)を
認めるようになったこと
には驚きです。
そのおかげもあり
パンデミックの真っただ中で
デジタル・スキルの
加速的向上が起きたのです。
「人生百年時代」と
耳にすることが
多くなりました。
でもそれは
“healthy aging”
(健康を保ちつつ歳を重ねること)
でなければ
意味がありません。
コロナ渦での経験により
日本人はフレキシブルな働き方
を知り心理的な障害から
解き放たれようとしています。
コロナ後の長寿社会を
幸せに生きるためには
「有形資産」ではなく
3つの「無形資産」が
強みとなります。
3つの「無形資産」とは
「生産性資産」(スキル・キャリア)、
「活力資産」(肉体的・神経的な健康)
「変身資産」(様々な変化についていける力を鍛える)
のことをいいます。
「無形資産」のほかに
重要な要素は4つ
(透明性、共同創造、忍耐力、平静さ)
あります。
結局のところ、
今起きているパンデミックから
学んで私たちが変わらなければ
ならない時がすぐそこに
来ているのです。
ジャレドダイアモンド『コロナ後の世界』 認知バイアスが感染対策を遅らせた(スティーブン・ビンカー)
新型コロナウィルスを
「基準率的思考」と
「指数関数的思考」で
流行拡大について捉えるべき
だといいます。
「基準率的思考」とは
これまで起きたパンデミックの
教訓に対して人類がどのように
立ち向かったのか、
歴史的な記録や成果を踏まえた
考え方です。
「指数関数的思考」に基づいて
考えると
感染症は指数関数的に
拡大してしまうので
いかなる対策であっても
限界があり
簡単に凌駕されてしまう
という予測となり
今回はこれに当てはまると
考えられます。
ジャーナリズムは
比較的ネガティブな
バイアスを作っています。
その証拠に新型コロナに
関しても新たな感染者や
死亡者の数は報道されるけど
回復者や退院者の数は
ほとんど報道されること
はありません。
私たちの認知能力は
バイアスの影響をすぐ
に受けるためのような
情報しか見えなくなる
「フィルターバブル」が
起こってしまい
その中にいることに
気づきません。
それを防止するためには
自分とは異なる意見に
耳を傾けて意見交換が
必要となります。
そう目の前の危機に
惑わされないためには
自分の視点を変えること
が重要です。
ただデータに惑わされる
のではなく
現在の状況を冷静に
判断してできれば
悲観主義ではなく
楽観主義となるべきなのです。
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