佐々木裕一『公家武者 信平 消えた狐丸』あらすじと感想!公家武者新シリーズが見参

 

今回ご紹介する一冊は、

佐々木裕一

『公家武者 信平 消えた狐丸』

です。

作家佐々木裕一の代表作といえば

『公家武者 松平信平シリーズ』

ではないでしょうか。

シリーズは『狐のちょうちん』から始まり

本作品まで大変人気があります。

松平信平シリーズの他にも

『浪人若さま新見左近シリーズ』

『もののけ侍伝々シリーズ』

『春風同心家族日記シリーズ』などがあり、

こちらも人気シリーズとなっています。

公家から武家になった松平信平という

実際の人物をモデルにした時代小説で、

眉目秀麗で情が深く、剣の腕も凄い松平信平、

信平のそばに使える人々がとても魅力的に

書かれています。

悪に立ち向かうばかりではなく、

信平の素朴で純真な恋の話もシリーズから

目を離せなくなる要素のひとつとなっています。

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

松平信平とその仲間たちも健在な『公家武者・信平』

 

公家大名として知られる実在の人物・松平信平の物語。公家から武家となった信平が、幕府転覆を目論む強敵を秘剣・狐丸で倒してから三年、愛妻・松姫、愛息・福千代との平穏な生活を送っていた信平だったが、命を狙われた松姫の心の傷は未だ癒えない。しかし、剣客を狙う辻斬りが出没していると聞いた信平の心に正義感が蘇る。封印した愛刀がついに鞘から抜かれるのか? 大人気・公家武者新シリーズ、講談社文庫より見参!

 

公家武者シリーズの松平信平

実際にも存在した人物です。

物語での信平は公家では最高の家格といわれる

『鷹司家』に生まれます。

徳川家光の正室で姉の鷹司孝子を頼り、

15歳で江戸へ行き、

家光からも歓迎されて武士になることができました。

数々の強敵に立ち向かい、

この作品の前の巻では大変な戦いをしました。

『公家武者 信平 きえた狐丸』

その三年後から物語が始まります。

神宮路との戦いから三年の月日がたち、

息子の福千代も健やかに育ち、

信平たちもとても穏やな日々を

過ごしています。

しかしやはり事件がおこり

信平の剣豪ぶりも変わらず、

あっという間に事件をおさめてしまいます。

出版社が変更になったためか物語としては

全巻からの人物やこれまでの出来事に関しての説明

という感じが出ていましたが、

信平の誠実さや剣豪ぶり、

妻子を大切に愛しく思う信平の魅力は健在です。

シリーズを読み続けていた人は新たな物語へ、

初めて読む人はページをめくる手がとまらない

ワクワク感を楽しめる一冊になっています。

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

剣の腕だけではない信平の魅力

 

前巻では信平の愛妻の松姫が

敵にさらわれてしまいます。

3年たった今でも松姫の心の傷は治らず、

夜間にうなされたりしています。

将軍からは松姫のため、

愛息のため家臣のために信平自信も

落ち着くために登城などを免除されています。

その計らいもあり松平家はとても穏やかな日々

を営んでいました。

これまで信平は松姫と一緒になるまで

大変な苦労がありました。

その時の松姫を大切に思う気持ちを

信平が今でも持ち続けていることに、

ほっとします。

愛息も素直にすくすくと健やかに育ち、

家臣の息子とも仲の良い姿が大変かわいらしく

ほほえましく描かれています。

公家武者信平は信平が悪や敵に立ち向かう姿も凛々しく、

剣豪ぶりも爽快ですが、

信平をとりまく人々もとても個性的で

魅力がありシリーズを通して

とても気になる存在になります。

信平を取り巻く人々は信平の剣の腕だけに

惹かれてきているのではないことが物語の端々でみられます。

その証拠に信平を監視するために

老中・阿部豊後守忠秋の命により遣わされた

くノ一の「お初」は、

阿部豊後守忠秋から家臣になる許しを得ます。

それも信平の人となりに忠秋が魅力や信頼を

置いたためだと思われます。

剣の腕ともに信平の人としての魅力も

余すことなく語られています。

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

相棒狐丸と仲間とともにさらなる戦いへ

 

『公家武者 信平 きえた狐丸』では

平穏な日々を送っていた信平もとに

剣豪をねらう辻切が出没しているという事件

が知らされます。

正義感の強い信平は辻斬りを成敗するために

立ち上がろうとしますが、

相棒ともいえる刀「狐丸」が信平のもとから姿を

消してしまいます。

最後には狐丸とともに辻斬りを

成敗することができるのですが、

狐丸が姿を消した理由が大変ほほえましく、

優しい気持ちを感じられることができて

心がほっこりとします。

この巻ではゆったりと穏やかな日々を

営んでいた信平がまた事件や悪に立ち向かっていく

であろうと予感させる一冊となっています。

情に厚く剣豪で家族や仲間を大切に思う信平が、

家臣や仲間とともに事件に立ち向かっていくであろう

続きが楽しみになってくるような

内容となっています。

 

 

 

この記事を読んだ方はこちらもオススメです↓

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

おすすめの記事